『きらいなうた』『はるのうた』 作品ガイド

お品書き
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【舞踊・二胡・唄】『きらいなうた』ほか

 演劇的で、身体の隅々にまで想いがみなぎり張り詰めるような強さをもつ舞踊、そこに重なる美しく切ない二胡の音色と歌声。
 日本での戦争をしらない世代が、戦争の終わらない今の世界に想いをはせて、紡ぎ出された言葉を、唄と踊りとで表現します。
 戦争のむなしさと、生きる命の美しさが強く心に残ります。今こそ、たくさんの方に観てほしい作品です。


出演者・スタッフ

『きらいなうた』『はるのうた』
作詞・作曲/中川えりか  編曲/アカラ

舞踊/小泉憲央(Studio ALMA) 『きらいなうた』
演奏/アカ
    こたにじゅん(二胡)
    中川えりか(二胡と唄)

音響/吉川安志 照明/阿部千賀子 舞台監督/小立哲也 制作/小原美紗

■小泉憲央 

桐朋学園芸術科演劇専攻卒。東京演劇アンサンブルを経て、西田堯舞踊団へ。2022年、劇団「studio ALMA」を結成。オリジナルの舞踊劇の作・演出・振付を務める。

studio ALMA
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■アカラ(こたにじゅん、中川えりか)

日本人では数少ないプロの二胡奏者のユニット。「ツイン二胡と唄」の独自のスタイルでジャンルを越えて支持され、国内外で活動中。中国公演は来場者記録を更新。

大地に根差したかのように響く野太い歌声から、聞く者を優しく包む微かに響く細い歌声まで、圧倒的な存在感を放つ中川えりかの声。二胡のこたにじゅんは、一般的な二胡の音色を思わせる流麗さも奏でつつ、その真骨頂は、太く強い音色と、確かに聴こえるか細く繊細な音色の使い分けによる、楽器とは思えないほどの歌わせぶりにある。

アカラ
 ホームページ
 X(旧Twitter) こたにじゅん 中川えりか
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Photo Gallery


殺したくなかったのに、殺さなければいけなかった人たちに

戦へ向かうお父さん、
泥を浴びて手に入れたものが、沁みるように 揺さぶるように
あなたのきらいな歌をうたう。
鉄砲にぎるお兄さん、
あたしと寝た日を忘れないで。
ごめん、ごめん、、と震えるその胸、
撃ち抜く前に思い出して。

 —– アカラ 『きらいなうた』 より

東京大空襲を題材にした『河童の道行』、原爆を題材とした詩の朗読と、“戦争をその身で体験した人々”のことばで紡がれた作品をお届けいたしましたが、対してこの『きらいなうた』は、実体験としての戦争を知らない世代が、戦争のなくならない世界に想いを馳せて紡ぎ出した作品です。

「戦へ向かうお父さん」「鉄砲にぎるお兄さん」そう歌われている兵士たちは、その歌詞のとおり、戦場に赴く前はひとりの父であり、息子であり、また母や娘でもあったでしょう。
あたりまえの生活を営み、大切な家族や友人のいる、善き人々であったのでしょう。

日本でも戦後、戦地から戻ってきたら人が変わってしまったという「父」たち「兄」たちが数多くいました。
善き人々だったはずの彼らは、殺さなければ殺されるという極限の中で、国を、家族を、あるいは自分を守るために、心を殺し、人を殺し、同胞を見殺しにし、屍を踏みつけて生き延びてきた。
そうして守ったはずの国は、彼らに何をしてくれたのでしょうか。

「戦争トラウマ」ということが問題として取り上げられるようになったのは、ベトナム戦争のころからですが、遡れば、世界各国で戦争により「加害者」にならざるをえなかった、お父さん、お兄さんたちの、どうしようもない心の闇が、次の、その次の世代まで影を落とし続けてきました。

殺さなければ生きられなかった人たち。そうして生き延びても、何も救われることはなかった人たち。
彼らがむけた銃口の先にあったものは何なのか。遠い彼の地のことではなく、今世界でおこっている私たちの問題として、心に留め続けたいと思います。

抑圧されたエネルギーを体中に漲らせた小泉さんの舞踊の中に、兵士たちが必死にあがき生きようとした証を見て、中川さんの歌声と、じゅんさんの奏でる二胡の音色が、あたたかく優しく、本来の「善き人々」の存在を認めて、救ってくれているように感じます。

つづく『はるのうた』が一層心にしみるのは、新しい季節の光が、すべての存在をやさしく包んでくれるように感じるからでしょうか。

—おとずれてみませんか?

平和祈念展示資料館
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新宿にある「平和祈念展示資料館」は、シベリア抑留された方や、満州から引き上げてきた人たちの遺留品などが展示されており、戦中戦後の様子を様々な資料から学べる施設です。
中には触ってみたり、音で聞いたりできる展示もあります。撮影OKの場所も多く、QR コードを読み取ってスマホで解説が見られるなど、工夫がこらされています。

平和記念展示資料館は、入館無料です。
シベリアと満州にスポットがあてられた施設で、どちらかといえば「被害者」の視点に寄った展示です。日本も加害者だった事実も学ばなければならないと思いますが、戦争と言うものをいろいろな側面から知って感じて、話し合う、そんなきっかけの一つにしてはいかがでしょうか。


出演者のSNSをチェック!

■アカラのブログから・・・
 >>2016年10月 「ムダイ」と「きらいなうた」
 >>2018年4月 戦へ向かうお父さん
 >>2018年5月 創ることを愛する人たち
 >>2023年12月 プーク平和企画2023終了しました
  ・・・「はるのうた」が収録されたアルバム『無言の空』 Apple MusicやSpotifyで配信中です。
    アカラのストアで、その他の楽曲情報もチェック!

studio ALMA の Instagramから・・・
 >>稽古場の様子(この頃は丸刈りではなく!本番にあわせて刈りあげていらっしゃいました)
  稽古場から① / 稽古場から② / 稽古場から③
 >> 『きらいなうた』PV
 >> 終演の御礼 
 >>小泉憲央さんプロフィール 
・・・主宰の studio ALMAのInstagramは、劇団の稽古の様子やミニ動画も多数で見応えアリ!
  劇団員も募集中です。ぜひのぞいてくださいね!



助成 :
文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等活性化・ネットワーク強化事業 (地域の中核劇場・音楽堂等活性化))|独立行政法人日本芸術文化振興会

後援 :
NPO 法人日本ウニマ、日本人形劇人協会、NPO法人JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)、公益財団法人 原爆の図丸木美術館、渋谷区、新宿区、新宿区教育委員会、南新宿商店会、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)


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